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東北大学大学院生命科学研究科回路脳機能分野
兼・東北大学大学院医学系研究科回路脳機能分野

アルバム

2022年03月16日~18日

第99回 日本生理学会大会@仙台

超回路脳機能分野からは全メンバー参加、2件のシンポジウム発表(ともに大学院生が筆頭著者)、5件のポスター発表を実施しました。また、基礎医学修練生の医学部医学科3年次の大西一ノ介氏もポスター発表を致しました。新型コロナ禍も2年目を終えようとしていますが、この期間、むしろ当研究室では実り多い研究の推進、学生教育の充実が得られ、居心地の良い教室運営が実現できました。

Invited Symposium

  • SY06-02
    Sasaki D, Kanaya T, Matsui K* (2022) Extreme adaptation and glial meta-plasticity control. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.


  • PS13-02
    Kanaya T, Matsui K* (2022) Astrocytic regulation of homeostatic learning. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.

Poster Presentations
  • 2P04-09
    Tan W, Matsui K* (2022) Astrocytic control of anxiety. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.
  • 2P04-10
    Ikoma Y, Sasaki D, Matsui K* (2022) Plasticity of brain environment upon development of epilepsy. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.
  • 2P09-07
    Donen Y, Matsui K* (2022) Brain state effects on cortical signal transmission. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.
  • 2P09-09
    Furukawa K, Matsui K* (2022) Changes in ATP energy dynamics in the brain. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.
  • 3P11-06
    Onishi I, Araki S, Matsui K* (2022) Glial origin of epilepsy. Annual Meeting of The Physiological Society of Japan, Sendai, Japan.



2022年03月16日(水)

公募シンポジウム
[SY06] 小脳の情報処理機構の新展開
09:00 〜 11:00 会場J (Zoom(J))
オーガナイザー:
細井 延武 (群馬大学大学院医学系研究科 脳神経再生医学分野)
掛川 渉 (慶応義塾大学 医学部 生理学(神経生理)教室)

[SY06-01]
09:00 〜 09:30
急性炎症および精神疾患モデルにおける神経興奮性可塑性
*大槻 元1 (1. 京都大学大学院医学研究科 創薬医学講座)

[SY06-02]
09:30 〜 10:00
脳梗塞適応時グリア反応とメタ可塑性制御
*佐々木 大地1、金谷 哲平1、松井 広1 (1. 東北大学)

[SY06-03]
10:00 〜 10:30
小脳シナプス可塑性および運動学習におけるイオンチャネル型グルタミン酸受容体の新たな役割
*掛川 渉1,2、柚﨑 通介1,3 (1. 慶應義塾大学、2. JST-ERATO、3. JST-CREST)

[SY06-04]
10:30 〜 11:00
甲状腺ホルモンシグナルによる小脳シナプス可塑性の調節メカニズム
*細井 延武1、二ノ宮 彩音2、天野 出月2、小久保 倫文2、平井 宏和1、鯉淵 典之2 (1. 群馬大学大学院医学系研究科 脳神経再生医学、2. 群馬大学大学院医学系研究科 応用生理学 )




















2022年03月16日(水)
宮城・福島で震度6強 TBS News

2022年3月16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で震度6強の非常に強い揺れを観測する地震がありました。気象庁によりますと、震源は福島県沖で、震源の深さは60キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.3と推定されています (気象庁資料)

本学会大会は、地震の影響を受け、第2日目の午前の口頭発表・ポスター発表の一部がキャンセルになりました。しかし、これらの発表はいずれもオンデマンドでの配信がありましたので、無事に視聴することはできたのではないかと思います。第2日目の午後、ならびに、第3日目の講演は、予定通りに実施することができました。なお、地震の影響を受け、当研究室では、棚からいくつかの機材が落ちるなどの被害がありましたが、日頃の耐震対策のおかげで、研究の持続可能性に影響があることもなく、実験動物の逸走などもなく済みました。



2022年03月18日(金)

企画シンポジウム
[PS13] アストロサイトの担う脳内信号のグリアデコーディング
08:30 〜 10:30 会場G (Zoom(G))
オーガナイザー:
松井 広(東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野)
田中 謙二(應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室)

[PS13-01]
08:30 〜 08:54
分子ネットワークから紐解く三者間シナプスの新たな役割
*高野 哲也1,2 (1. 慶應義塾大学医学部生理学(神経生理)教室、2. 国立研究開発法人・科学技術振興機構・さきがけ)

[PS13-02]
08:54 〜 09:18
早熟/晩成型記憶のグリア制御
*金谷 哲平1、松井 広1,2 (1. 東北大学大学院医学系研究科超回路脳機能分野、2. 東北大学大学院生命科学研究科超回路脳機能分野)

[PS13-03]
09:18 〜 09:42
細胞外 ATPを介したグリア-ニューロン情報伝達の時空間ダイナミクス
*繁冨 英治1,2、小泉 修一1,2 (1. 山梨大・院医・GLIAセンター、2. 山梨大・院医・薬理)
[PS13-04]
09:42 〜 10:06
アストロサイト操作・観測ツールによる行動生理学
*長井 淳1 (1. 理化学研究所・脳神経科学研究センター)
[PS13-05]
10:06 〜 10:30
Insights from computational approaches on astrocytic calcium activity at the nanoscale *Audrey Denizot1, Erik De Schutter1 (1. Okinawa Institute of Science and Technology)

























新型コロナ禍第6波+大型地震震度6強のダブル災害に見舞われながらも、第99回日本生理学会大会@仙台において、グリアデコーディングの企画シンポジウムを無事に開催することができました。この状況にも関わらず、座長2名中1名がオンサイト(松井広)、演者5名中4名がオンサイト(高野哲也、金谷哲平、繁冨英治、Audrey Denizot)で参加することができました。オンライン参加の座長1名(田中謙二)と演者1名(長井淳)も、無事にネット接続もでき、会場の臨場感を共有することができたと思います。皆様には多大なご協力をいただき、誠に有難うございました。

当日は、さらに金谷哲平さんが、地震の影響を受けた大渋滞に巻き込まれるという事態にもなり、タクシーからのオンライン中継をした上で、急遽、講演の順番を代わる対応をしてもらいました。皆さんの講演自体は、オンラインでの接続等もスムーズにつながって、滞りなく進行することができたと思っています。比較的若手のシンポジストにご参集いただき、アストロサイト研究を中心にして、それぞれ、最新のテクニックと新たな角度からの研究を紹介していただきました。

会場からもオンラインからも活発な質疑応答をしていただくことができました。通常の学会シンポジウムと比べても、結構、盛り上がったほうだったのではないかと思います。田中謙二先生にもオンラインからご質問をしていただきました。ただ、振り返ってみれば、私も余裕なく司会進行をしていたので、もっときちんと田中先生を座長として紹介したり、適宜、ご発言いただける場を設けるべきだったと反省しております。気遣いが足りずに申し訳ございませんでした。

シンポジウム後は、オンサイト参加者の皆さんと一緒に、感染症対策を充分にした上で、川内キャンパスのカフェ モーツァルト クレーズコーヒーで早めのお昼をいただきました。また、本大会の小脳シンポジウムで座長を務められた群馬大学の細井延武先生にもお昼をご一緒いただきました。細井先生は、松井広の東京大学文学部心理学科の同窓生で、立花政夫先生の研究室で一緒に論文を共著しました。

カフェ モーツァルト クレーズコーヒー

その後、繁冨先生は、大会の手配した午後2時30分のバスに乗って帰宅されました。新幹線が止まってしまっているなか、無事に帰ることができたようで何よりでした。

高野哲也先生、Audrey Denizot 先生、細井延武先生の3名は、そのまま、仙台で宿泊されるとのことでしたので、感染症対策を充分にした上で、研究交流会に参加することになりました。特に、Audrey さんのお話を中心に、フランスでの研究、沖縄での研究や生活について、いろいろと教えてもらうことができました。高野先生には、Duke での研究留学のお話をお伺いすることができました。やはり、対面でのディスカッションは、本当に楽しいものだと改めて実感いたしました。なお、この研究交流会では、グリアシンポジウムに加え、小脳シンポジウムの座長の細井先生と、当研究室の大学院生で小脳シンポジウムで発表させていただいた佐々木大地さんも参加させてもらいました。その後、空気の入れ替えと換気を兼ね、地震から復旧した地下鉄の視察を行うため、仙台駅前まで地下鉄で移動し、最後のディスカッション会議を開催することにしました。

炭焼き 松

IRISH PUB CELTS(ケルツ) 仙台駅前店

早めにシンポジウム後の非公式★研究交流会が始まったこともあり、最後の会場を出た時点でも、まだ午後8時30分でした。しかし、地震復旧後の移動・帰宅に備えて、健康的に、ここは、これで終了/解散としました。

地震の影響で、新幹線の復旧には時間がかかる模様です。残りのシンポジストの皆様は、翌日、車や飛行機を使って無事に帰宅することができました。



2022年03月19日(土)
細井延武先生の研究室訪問



群馬大学の細井延武先生に研究室訪問に来ていただきました。今後の研究の発展や共同研究の可能性について、打ち合わせをすることができました。また、他大学の学部学生が日本生理学会大会に参加しており、当研究室への大学院進学を検討しているとのことでしたので、一緒に研究室見学をしてもらいました。研究室見学後、感染症対策を充分にした上で、細井先生と一緒に仙台牛タンの試食をし、食の多様性、バイオ・ダイバーシティー、持続可能性(SDGs)について、思いを馳せる会議を実施しました。