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東北大学大学院生命科学研究科回路脳機能分野
兼・東北大学大学院医学系研究科回路脳機能分野

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2024年06月08日 松井

第55回記念 仙台てんかん医学市民講座 招待講演

第55回記念 仙台てんかん医学市民講座 IV(Epileptology Public Lecture in Sendai; EPLS)が開催され、基礎脳科学講座として「超回路脳機能からてんかんを知る」という演題名で招待講演を行いました(1時間;会場、仙台国際センター2階 萩)。この講座は、年2回開催の市民講座で、てんかん専門病院ベーテル等によって開催されています。市民講座という形でのアウトリーチは初めての経験でした。今回、てんかんの専門医や看護師、医療スタッフに患者さんを含めた聴衆でしたので、なるべく難しくない解説を心がけましたが、一方、学会発表のような側面も残して、科学的なアプローチでどうやって仮説-検証の道をたどっていくのかを体験してもらうことにしました。

松井 広
超回路脳機能からてんかんを知る. 第55回記念 仙台てんかん医学市民講座 IV「新しいてんかんの世界」, 仙台, 2024年06月08日

YouTube配信 2024年06月08日

松井講演時間 2:00:11 - 3:04:10

実は、マウスもてんかんになります。ヒトでも、てんかんの有病率は、人口の1%だそうです。100人に1人ということは、小学校の3クラスがあれば、ひとりはてんかんということになります。決して、めずらしい病気ではありません。むしろ、誰でも、てんかんになり得るように、脳の仕組みが、最初からできているということだと思います。逆に、てんかんになり得るような仕組みがなければ、こころの複雑な機能は、脳から生まれてこないのではないかとさえ思います。これだけ長い進化の歴史がありながら、てんかんという病がなくならず、動物種を越えて存在するということは、てんかんは、脳の仕組みが生み出す必然なのです。


※ 本講義で紹介した主な研究内容:
Ikoma Y, Takahashi Y, Sasaki D, Matsui K* (2023)
Properties of REM sleep alterations with epilepsy.
Brain, 146: 2431-2442.
DOI: https://doi.org/10.1093/brain/awac499

Araki S, Onishi I, Ikoma Y, Matsui K* (2024)
Astrocyte switch to the hyperactive mode.
Glia, available online, April 9, 2024.
DOI: https://doi.org/10.1002/glia.24537




2024年06月06日 松井

第55回記念 仙台てんかん医学市民講座 招待講演
河北新報 予告 紙面掲載



開催日 2024年6月8日(土)仙台国際センター2階 萩