東北大学大学院生命科学研究科回路脳機能分野
兼・東北大学大学院医学系研究科回路脳機能分野

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高橋 理沙子

Risako Takahashi

氏名:高橋 理沙子(たかはし りさこ, Risako Takahashi)
現職:(松井研最終記録)修士課程1年(生命)
所属:東北大学大学院生命科学研究科
    超回路脳機能分野(松井広研究室)
専門:農学、行動学、睡眠科学

学歴:

2015年04月 東北大学農学部入学
2019年03月 東北大学農学部生物生産科学科 卒業
       陸圏生態学分野(指導教官:小倉振一郎、深澤 充)
2019年04月 東北大学大学院生命科学研究科 博士前期課程入学
       超回路脳機能分野 (指導教官:松井 広
2019年10月 公務員就職

▲(以上、松井研での最終記録。以降、更新なし。)▲


一言:

私は、東北大学農学部では陸圏生態学分野の小倉振一郎教授の研究室に所属し、深澤充准教授のご指導を受け、ウシの睡眠行動についての卒業研究を行いました。ウシでは、首に加速度センサーを取り付けることで睡眠・覚醒が判定できるのですが、フィールドで取れる膨大なデータを解析し、ヒトとは違うウシの睡眠パターンを大変興味深く感じました。

睡眠時、あるいは、覚醒時に、動物の外からは観察できない脳内で、いったいどんなことが起きているのでしょうか。ウシもヒトと同じく夢を見ることもあるのでしょうか。そもそも、ヒトも動物もなんで眠る必要があるのでしょうか。頭を休めるために睡眠が必要だと言われます。現に、何日も断眠をしていると幻覚を見たり、最悪は死亡したりすることもあるそうです。では、頭を休めるためなのに、何でいったい夢なんて見る必要があるのでしょうか。休むということなら、頭の睡眠と身体のエネルギー代謝との間に何らかの関係はあるのでしょうか。

これらの問いに答えていくには、やはり、大きなスケールのウシの行動観察だけでは難しいと感じました。実験動物のマウスなら、脳波や筋電図を詳しく解析することによって、ノンレム睡眠やレム睡眠を正確に判定して調べることができます。また、進学した超回路脳機能分野の松井広教授の研究室では、代謝産物の増減を検出する蛍光タンパク質センサーを遺伝子発現させたマウスも開発しています。

今後は、脳の中の神経細胞の間で交わされる信号を、電極を使って直接のぞきこみ、また、脳内での代謝産物の流れを可視化して、なぜ睡眠が必要なのか、マウスも夢を見ることはあるのか、睡眠と夢を見ているときの脳内エネルギーの流れはどうなっているのかを解明していきたいと思っています。特に、脳内のエネルギー代謝に主要な役割を果たすのは、グリア細胞のうちのアストロサイトです。松井研究室のアストロサイト機能解析の技術を活用し、睡眠科学と結びつけた、新しい研究領域を創始していくことに貢献できたらと願っています。


受賞歴:

2019年02月 東北大学農学部応用動物科学コース卒論発表会
       優秀発表賞受賞 URL
       「ウシの1日の総睡眠時間に影響を及ぼす要因の解明」
       高橋 理沙子


ウェブ:

研究室ウェブサイト(高橋理沙子)