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東北大学大学院生命科学研究科回路脳機能分野
兼・東北大学大学院医学系研究科回路脳機能分野

Neuroscience Research 2024a 掲載記念

2023年11月24日

公刊学術研究論文発表
ケンカのゆくえはグリアしだい 小脳グリア細胞が攻撃行動制御に果たす役割を解明(Glial tone of aggression)
Asano et al., Neuroscience Research 2023 特設ページ


近年、動物やヒトの社会性の行動に小脳が影響を与えていることが示唆されてきました。東北大学大学院生命科学研究科の淺野雄輝大学院生(日本学術振興会特別研究員)、松井広教授らのグループは、雄マウス2匹を同じケージに入れた時に勃発するケンカに注目し、小脳の活動を解析しました。ケンカ解散時、小脳で特有の神経活動が生じ、シータ波の局所フィールド電位(注8)が記録されました。また、光遺伝学を用いて小脳グリア細胞を光刺激すると、小脳でシータ波が生じるとともに、ケンカ解散までの時間が短くなることが明らかになりました。さらに、ケンカが優勢・劣勢になると小脳グリア細胞内のカルシウム濃度が減少・増加したため、小脳グリア細胞は、マウスの攻撃性を調整するボリュームの役割を果たすことが示唆されました。

マウスもヒトも集団で暮らすからには、円滑な社会生活を営むことが望まれます。過度な攻撃衝動を制御するには小脳グリアの働きを理解することが有用と思われます。本研究成果は2023年11月24日付で、脳科学分野の専門誌Neuroscience Researchに掲載されました。

Imagine there is no social conflict. It's easy if we could harness the innate ability of the cerebellar glia to control aggression. Imagine all the people living life in peace. You-who-fu-fu-fu.
Glial tone of aggression. Neuroscience Research 2024a


Asano Y, Sasaki D, Ikoma Y, Matsui K (2024) Glial tone of aggression.
Neuroscience Research, 202: 39-51.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.neures.2023.11.008
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2023.11.24 Published Online
2023.12.05 Press Release
東北大学 本部
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東北大学 大学院生命科学研究科
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松井広教授
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Neuroscience Research, Volume 202, May 2024, Pages 39-51




研究紹介History

2024年06月20日 松井

月刊細胞 特集:グリアは神経回路機能の主役か?
松井 広(2024)シータとサン:グリア細胞による神経調律機能
細胞, 56 (8): 575-578.

    マウスの脳の活動を記録する技術を確立してから、ある現象が私たちの前に繰り返し浮かび上がった。シータとサンである。レム睡眠時の視床下部、不安に感じた時の手綱核、ケンカ状態からの相互離脱時の小脳虫部で、神経細胞のシータ帯域(5-10 Hz)の活動に出会った。神経細胞だけではつまらないので、グリア細胞の活動も同時に計測するために蛍光カルシウムセンサーをグリア細胞に発現させてみた。すると、カルシウムを光計測しているつもりが、いつの間にか、pHを計測していた。上記場面で、今度は、グリア細胞の酸性化に出くわした。オプトジェネティクスで有名なChR2とArchT。これは、細胞内を酸性化・アルカリ化するツールである。グリア細胞に発現させたこれらの分子を光刺激すると、シータ波が影響され、マウスの行動が変化した。どうやらグリア細胞の酸(サン)には、神経細胞の奏でる曲(シータ)を調律する役割があるようであった。

※本総説で取り上げた主な論文:
 Ikoma et al. Brain 2023b
 Tan et al., Neurosci Res 2024
 Asano et al., Neurosci Res 2024


2024年01月29日 淺野

令和5年度 博士論文最終試験



東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
淺野 雄輝
「社会行動の調節機能の解明-小脳グリア機能計測・操作とマウス攻撃行動との連関解析-」


2023年12月11日-12日 松井

学術変革領域(A)「行動変容生物学」領域会議

第3回 領域会議 The 3rd Project Meeting
2023-2024年度の公募班員として、学術変革領域(A)「行動変容生物学」領域会議に出席して研究発表をしました。今回の領域会議は、KKRホテル東京で現地開催されました。今回は、未発表の迷走神経に関する研究とともに、論文として発表されたばかりの小脳による攻撃行動制御に関する研究(Asano et al., Neuroscience Research 2023)を紹介しました。

口頭発表:
Ko Matsui
Non-central nerve determinants of meta-platicity control(メタ可塑性制御の非中枢神経性の決定要因). 第2回 行動変容生物学 領域会議, KKRホテル東京(東京), 2023年12月12日


2023年10月30日-31日 松井

韓国 KIST 招待セミナー

October 31, 2023 10:30 - 12:00
Ko Matsui
Astrocyte control of learning and memory. KIST seminar (invited by Keiko Tanaka-Yamamoto), 2023年10月30日

韓国大邱(Daegu)で開催された FAOPS2023 に先立ち、韓国 KIST(Korea Institute of Science and Technology, ソウル)の田中敬子先生に招待されてセミナーをしてきました。実は、田中先生には、ちょうど10年前にもご招待していただいておりました(2013年12月18日)。今回、偶然同じ日時で、理研の長井淳先生が KIST を訪問されていたので、一緒の時間帯でシリアルに講演をしました。ふたつ続けてアストロサイトの話でしたが、C Justin Lee 先生が KIST から IBS (Institute for Basic Science, Daejeon) 異動された後も、KIST でのアストロサイト研究は根強く残っているようで、関心を持ってくれたひとが大勢いました。


2023年08月01-04日 淺野

第46回 日本神経科学大会 @ 仙台

The 46th Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society
Aug 1-3, 2023, Sendai, Japan


2023年8月2日(水) 16:20 〜 17:20 ポスター会場 (展示棟)
ポスター | D. 運動・行動
[2Pa] 小脳
[2Pa-044] 小脳グリア細胞による闘争・逃走のスイッチング
淺野 雄輝1、松井 広1 (1. 東北大学生命科学研究科超回路脳機能分野)



2022年06月30日~07月03日 淺野

第45回 日本神経科学大会@沖縄

2022.06.30
Asano Y, Matsui K* (2022) The role of cerebellar glial activity in aggressive behavior. The Annual Meeting of the Japan Neuroscience Society, Okinawa, Japan.


2021年08月05日 淺野

第2回 グリアデコード班会議

○淺野 雄輝, 松井 広* "小脳グリアが担う社会"
第2回 グリアデコード班会議, 名古屋, 8月, 2021.
[ポスター,オンサイト開催]