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東北大学大学院生命科学研究科回路脳機能分野
兼・東北大学大学院医学系研究科回路脳機能分野

COVID-19 information


2020.06.01 掲載
当分野における新型コロナウイルス流行対応:
東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
分野長:松井 広 教授

2020.05.15 東北大学での行動指針(BCP)はレベル4からレベル3に引き下げられ、2020.06.01 レベル3からレベル2に引き下げられました。当分野では引き続き、新型コロナウイルス感染予防対策および研究室員の体調管理に努めていきたいと思います。

サーモグラフィ入口検査、オンライン会議システム


飛沫感染防止個別卓上シールド、パルスオキシメーターによるサイレント肺炎予防、ハイタッチサーフィスのアルコール消毒


外履きから内履きへの履き替え、ゾーニング靴裏アルコール噴霧


COVID-19 注意喚起掲示1


COVID-19 注意喚起掲示2


COVID-19 注意喚起掲示3




2020.04.19 掲載
当分野における新型コロナウイルス流行対応:
東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
分野長:松井 広 教授

2020.04.17 東北大学での行動指針(BCP)はレベル4に引き上げられました。当研究室では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、研究室活動を変容させていくことに、これまで以上に取り組みます。

東北大学の行動指針(BCP)

なお、BCP とは、Business Continuity Plan の略で、災害などの緊急事態に遭遇した場合において、リスクを最小限に抑えつつ、研究や学業を「継続」するための対応のことです。感染して死亡してしまっては継続も何もありません。しかし、大学として、研究と教育とを継続して発展させていくことに、これまで以上に真剣に取り組む責務があります。

大学とは、教育・教養・科学・社会の発信源です。ここが崩壊してしまっては、コロナ禍後、人類の文明を再建していく礎が失われてしまいます。感染拡大を防ぎ、感染後の治療に専念し、社会的距離を置きながらも教育と研究を継続し、文明の火種を灯し続ける義務が私たちにはあります。コロナ感染防止はとても大切です。しかし、コロナ感染防止対応だけを BCP にしてはいけません。コロナ感染後の治療、コロナ収束後の文明再建をも見晴かす視座が、大学の教員と学生とに求められています。


2020.04.17 掲載
当分野における新型コロナウイルス流行対応:
東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
分野長:松井 広 教授

東北大学での行動指針(BCP)がレベル4に引き上げられたことにともない、当研究室では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、研究室活動を変容させていくことに、これまで以上に取り組みます。

まず、世界にこの研究室にしかいない遺伝子改変マウスの飼養保管のための維持管理業務だけは続けていかないと、長期に渡って築き上げてきた生物資源が失われることになります。もし失われれば、大学での研究活動を再開して発展させていく際に大きな支障が生まれます。そこで、引き続き、いくつかの系統に関して、凍結精子保管を実施することにしました。また、生きている生物の維持管理業務については、人数を最小限に制限しつつ遂行する工夫を行います。講義については、全てオンライン講義に移行しました。研究室内のミーティングについては、基本的に Zoom 会議や Microsoft Teams 会議を利用して、研究室での滞在時間を極力減らします。特に、新入生については、既存のデータをもとに自宅でのデータ解析ができるような工夫を整備していきます。また、これを機会に、脳科学関連の教科書などの輪読会をオンラインで実施することで、教育機関としての大学の機能を維持していきたいと思います。

仙台市の現状では、ともかくも感染拡大防止策を採ることが最も重要です。ワクチン・特効薬の開発までの時間を稼ぐため、また、急激な重篤患者数を抱えることによる医療崩壊を防ぐためにも、感染までにかかる時間をできるだけ遅くするのが有効でしょう。

とはいえ、新型コロナウイルスのこの感染力だと、いずれ全ての人が感染することは免れないのかもしれません。感染拡大防止策だけを考えているようではダメなのです。先を見据えて考えるならば、いざ感染した場合、いかに死亡率を下げられる治療を施せるかを練る必要があります。さらに、先の先を考えて、コロナ禍終息後の人類の文明の灯を消さないように、大学での研究と教育を継続することが肝要なのです。

BCP(研究・学業「継続」対応)

  • 感染拡大防止策を採る
  • 物理的社会的距離を取りつつ心理的社会的距離を縮める
  • 感染後、医療機関へ迅速に連絡
  • 感染後、二次感染を防ぐ
  • 感染後、快復に全力を尽くす
  • コロナ禍終息後の文明再建の灯を維持する

研究・教育の継続について

ひとりひとりの学生ファーストの立場で考えるなら、卒業予定している学生には、しっかり研究を修了して、卒業ができるようにしないといけません。また、このご時勢、リーマンショックどころではない経済失墜が予想される中、果たして企業も、学生の就職を受け入れてくれるのかどうかを調べないといけません。アカデミアに残り、研究の道を目指す場合なら、今、この時期から交渉を進める必要があります。国内の大学でもそうですが、また海外の研究機関のポスドク研究員となると、果たして、先方も受け入れられる状況かどうかも検討しないといけません。

コロナ禍以前のルールはもはや存在しません。正常化バイアスに捉われてはいけません。

石にかじりついてでも、研究の世界で活躍したいという思いがあれば、それが実現できるようにできる限りの布石を打ちつつ、生き残りも考えないといけません。世界的な不況が見込まれるなか、何とか大学の中でやり過ごすことができないかという思惑があっても構わないと思います。あるいは、アカデミアには見切りをつけて、雇ってくれる可能性がある企業なら、ともかくも就職内定を勝ち取ることに全力を尽くすのでも良いでしょう。ともかく、このコロナ禍を生き残って、その先につなげる道を全力で探すことが必要です。とはいえ、いくらコロナ禍であっても、本当にやりたいことを諦める必要はありません。生き残りつつも、先への目標を心のうちに留めておき、やれるだけのことに全力を尽くしましょう。

今年度からの入学者には、何とか、学業と研究とを開始できるだけの素地を作ってもらうための支援をしないといけません。せっかく希望を持って研究室に加わってもらったのに、実際の実験になかなか手を付けられずにいるのは、本当に可哀想に思います。本来であるならば、下記の順番で研究は進みます。

0)実験構想を練る
1)実験セットを組み立てる
2)実際の実験を通して生データを積み上げる
3)データを解析して新たな構想を練る

4月~5月は、1)~2)のパートを、教員や先輩と一緒に作業をすることで、実験の何たるかを勉強する貴重な時期です。しかし、(物理的)社会的距離を取る必要があるとなると、これを満足に実施することができません。そこで、1)~2)を飛ばして、いきなり3)から始めることにしましょう。

研究室の先輩の取っているデータは、山のように積み上げられています。これを解析することで、データに埋もれている真実を掘り起こすことに、まずは全力を尽くすことにしましょう。データ解析の方法も、伝授しないといけませんし、データの意味するところを読み取るのにも訓練が必要です。マンツーマンでの指導を通して、初めてデータを読み解けるようになるもので、これまでは、同じ狭いデスクに肩を寄せ合って、一緒にデータ解析をするというやり方をやってきました。しかし、これも実質的には難しい。

とはいえ、オンラインツール等を使い、画面共有をすれば、何とかやれるのかもしれません。高価な解析ソフトウェアについても、遠隔操作することで、自宅からでも使うことはできるでしょう。新たな試みですが、教員や先輩との(心理的)社会的距離を離さずに、何とか新たな世界での研究継続方法を一緒に模索していくことにしましょう。

世の中の時間は確実に流れていくものであり、来年度には新たな学生を迎え入れる準備も必要です。その頃には、コロナ禍は過ぎているかもしれませんし、まだ終息していないかもしれません。いずれにせよ、新たな学生とともに、また、大学での研究と教育を継続し、文明の灯を維持し続けないといけません。

東北大学の私たちの研究室に、ぜひ進学してもらって、コロナ禍後の新世界での研究を再建し、新たな脳科学研究を進めることを検討してもらえればと思います。今は、コロナ禍真っ最中ですが、学部4年生、あるいは、修士課程2年生には、当研究室への進学を、今、決断してもらわないといけません。学振PDでのポスドク研究員の受け入れについても同様です。実際に進学するのは1年後であっても、今、決断が必要とされています。学生向けにオンラインでの大学院説明会や研究室紹介も予定されています。直接、私あてに連絡をくださっても構いません。一緒に新世界を創造していきましょう。



2020.04.09 掲載
当分野における新型コロナウイルス流行対応:
東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
分野長:松井 広 教授

新型コロナウイルス流行をめぐる状況は、仙台でも刻々と変化しており、わずか5日前の下記記載を更新することになりました。警戒レベルは下記の記載より一段高くなり、東北大学の行動指針(BCP)ではレベル3に引き上げられました。それにともない、当分野では、週に一度、飼養保管している動物の世話をすることのみを研究室員の責務として定めることにしました。これも、体調に少しでも不安がある人は除外し、該当者には、コールセンターへの相談と自宅待機をお願いします。なお、大学での研究と教育機能の最低限の維持のため、必要最小限の時間、研究室への立ち入りは許可します。とはいえ、できるだけ在宅での仕事ができるように、セキュリティーを維持しつつ、リモートワークができる体制を整備しています。

追加して申し上げたいことがあります。

私たちは必ずこの危機を乗り越えます。来年度は必ずやってくるのであり、学部4年生の多くは必ず卒業し、修士課程2年次/博士課程3~4年次は修了を迎えます。そして、来年度からは、また新たな大学院/ポスドク研究生活が始まり、思う存分、脳科学研究に邁進できる季節がやってきます。私たちの研究室では、現ラボメンバー、そして、今年度入学者とともに、来年度入学者/進学者/入門者を迎えます。それまでに必ず研究も進み、新たな展望も拓けることは間違いありません。我々の学問と叡智は、未来に向かって無限に発展していくのです。

「さあ、諸君、授業を始めよう。まだ時間はある!敵の狙いは、この攻撃で人類の向上心をくじくことだ。ここで私たちが勉強を放棄したら、それこそコロナの思うツボだ!今こそ学び、新たな文明を築くべきです。」

浦沢直樹作画「MASTERキートン」より改変して転載。


令和3年度 大学院生募集中


樹々は成育することのない
無数の芽を生み、
根をはり、枝や葉を拡げて
個体と種の保存にはありあまるほどの
養分を吸収する。
樹々は、この溢れんばかりの過剰を
使うことも、享受することもなく自然に還すが、
動物はこの溢れる養分を、自由で
嬉々とした自らの運動に使用する。
このように自然は、その初源から生命の
無限の展開にむけての序曲を奏でている。
物質としての束縛を少しずつ断ちきり
やがて自らの姿を自由に変えていくのである。

フリードリッヒ・フォン・シラー



2020.04.04 掲載
当分野における新型コロナウイルス流行対応:
東北大学 大学院生命科学研究科 超回路脳機能分野
分野長:松井 広 教授

当分野では、東北大学、および、生命科学研究科の方針にしたがい、新型コロナウイルス流行を防ぐための工夫を、下記のように実施します。

まずは、できることから。当分野では、ひと部屋に10人以上の密度での研究・実験活動を行わないように致します。また、2020年度の開始にあたり、当分野には、3名の新入生と1名の客員研究員が新たに加わりました。通常であるならば、研究室構成員とともに、新入生歓迎会を開催し、親睦を図ることで、充実した研究生活のスタートを切りたいところです。しかし、今年度は、まずは、飲食店での歓迎会の開催等は自粛することに致しました。2020年3月下旬、ドイツからの大学院生を受け入れて、国際共同研究を実施する予定がありましたが、これもキャンセルしました。大学での授業や学内会議についても、できるだけZoom会議、Skype会議などで行うことにします。実験に関しても、AnyDesk等のリモートデスクトップを活用することで、テレワークができるような工夫を考案します。仙台市では、現状、簡単には検査ができないため、所属構成員各自、発熱、空咳、味覚・嗅覚障害などを感じた場合、適宜、連絡の上、躊躇せずに自宅待機をすることをお願いしています。

しかし、生きている動物を扱っている研究の都合上、完全にテレワーク体制に移行することは困難です。そこで、動物管理時には、マスク、手袋、白衣を着用し、アルコール・次亜塩素酸による機材や設備の消毒、パコマによる床の清拭などを、これまで以上に徹底したいと思います。また、万が一、当研究室所属者に感染が認められた場合に備え、動物の飼養保管数を最小限に絞る工夫を致します。

コロナ流行対策でできることと言えば、各自が、社会的距離を置くことだけだそうです。これは大変な問題で、これまでの大学での研究や教育の方針を完全に逆行させます。すなわち、コロナ対策をすると、本学の理念である「門戸開放」「研究第一主義」は実現できません。現に、当分野でも、一時的にせよ、海外との共同研究を諦めざるを得ず、門戸を閉ざすことを選択しました。新入生歓迎についても、志高く進学してもらった学生を鼓舞する機会が失われてしまうのは、何とも惜しい気がします。

面と向かって話し合いをして、議論をする中で、新たな革新的な発見がもたらされます。毎日ラボに来て、生のデータと向き合い、仲間と議論することができて、初めて研究も進みます。また、学生にとっては、1週間、1ヶ月、1年というのは、大変、貴重な時間です。東北大学では、東日本大震災での施設の壊滅的な影響を受けながらも、学生の研究を停滞させないことを第一に考えて、すぐさま、被害を免れた設備を整えて、勉学と研究とが続けられる体制に移行させたと聞いています。

しかし、今回の感染病対策は、東日本大震災や第二次世界大戦等とは異なった戦いです。戦災・震災では、生き残った仲間同士が肩を寄せ合い、絆を深めることで、難局を乗り切ってきました。しかし、まさにその、社会的距離を近づけること自体が問題となってしまうのです。人類の築き上げた大きな武器、「社会」を形作り、協力しあう行動自体が封じられてしまうとなると、どのようにして人類の繁栄を存続させたらよいのかが分からなくなります。

社会的距離を保ちつつも、むしろ、積極的に人とつながる方法を考える。それが、私たちに課された課題だと考えています。当分野では、私たちの専門である脳科学技術を活かして、脳や身体の制約を超えて、仮想空間などを通して、新たなコミュニケーション技術を築く方向性についても、研究を進めていきたいと思います。

ともかくも、現状を把握して、状況を理解することが第一です。所属構成員は、下記のサイトを随時チェックするとともに、情報を共有することに務めたいと思います。

東北大学 生命科学研究科
新型コロナウィルス感染症に関わる本研究科の対応

東北大学 医学系研究科
新型コロナウイルスに関連した感染症対策

宮城県・仙台市のコールセンター
(TEL:022-211-3883)

風邪の症状や 37.5 度以上の発熱が 4日間以上続く時、強い倦怠感や呼吸困難等、新型コロナウィルス感染症が疑われる場合には、宮城県・仙台市のコールセンター(TEL:022-211-3883)に連絡し、医療機関を適切に受診すること。その場合は、必ず教務係にも連絡すること。


コロナ情報有用サイト:
Coronavirus Update (worldmeter)
新型コロナウイルス感染世界マップ(日本経済新聞:世界地図上表記)
新型コロナウイルスの国別感染者数(世界ランキング推移)
新型コロナウイルス感染速報(日本国内情報)
新型コロナウイルス 国内感染の状況(東洋経済)
新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
How to flatten the curve (simulations)


松井広教授によるコロナ考察:
新型コロナウイルス状況についての一考察(2020年4月4日)
考察項目1:感染後死亡率(DRI)の考え方
考察項目2:感染後死亡率(DRI)で見る各国の医療水準
考察項目3:ダイヤモンドプリンセス号のアウトカムに学ぶ
考察項目4:感染者密度と死亡者密度の間の相関関係

新型コロナウイルス状況についての一考察(2020年5月4日)
考察項目5:感染拡大防止は死亡率低下につながるか


お問い合わせ先

研究室長 Principle Investigator

教授・松井 広(まつい こう)
Ko Matsui, Ph.D., Professor

連絡先

電話: 022-217-6209 ファックス: 022-217-6211
メール: matsui*med.tohoku.ac.jp (「*」を「@」に変換してください)
ウェブ: http://www.ims.med.tohoku.ac.jp/matsui/